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人間ドックとは、生活習慣病の予防やがんの早期発見などを目的とした、総合的な健康診断です。人間ドックに含まれる検査の内容は施設によってさまざまですが、日本人に多い主要ながんや、動脈硬化由来の疾患の検診を、法定健診(一般的な健康診断)と組み合わせているところが多いようです。
ここカラダでは、少なくとも法定健診(一般的な健康診断)に加え、胃がん検診や腹部画像検査(腹部エコー、腹部CT、腹部MRIのうちいずれか)が含まれる検査コースを人間ドックとしてご紹介しています。さらに気になる部位を調べるためのオプション検査が選べるなど、内容をカスタマイズできる医療機関も多いので、しっかり確認しましょう。 がん経験者のなかには、進行がんがみつかってから「毎年健診を受けていたのに…」と驚く人が多いのですが、会社や自治体で毎年実施される健康診断(法定健診)に、がん検診がほとんど含まれていないことは、あまり知られていません。 がんは進行すると、肉体的にも精神的にも金銭的にも大変負担の大きな病気です。 自覚症状が出る前に、早期発見・早期治療を心がけましょう。
| 部位 | 一般的な人間ドックに含まれる検査 | ぜひ受けたいオプション検査 |
|---|---|---|
| 基本健康状態 | 【法定健診】
|
骨密度(特に女性) |
| 心臓 | 安静時心電図 | |
| 肺 | 胸部単純X線撮影 | 喀痰細胞診(重喫煙者) |
| 肝臓 | 腹部エコー | 肝炎ウイルス検査 |
| 胃 | 胃バリウム/内視鏡 | |
| 大腸 | 便潜血検査/直腸指診 | |
| 前立腺 | 直腸指診 | 腫瘍マーカー(PSA) |
| 脳 | ― | |
| 乳房 | ― | マンモグラフィ/乳腺エコー |
| 子宮 | ― | 子宮頸部細胞診 |
一般的な健康診断の項目は以下の通りです。会社勤めの人は、労働安全衛生法と労働安全衛生規則による定期健診のことです。
※労働安全衛生法により、1年以内ごとに1回以上(または職種により特定業務従事者は6カ月以内ごとに1回以上)の健康診断(これを一般に法定健診と呼びます)を実施することが定められています。以下の健診項目は基本項目です。雇い入れ時健康診断、定期健康診断、特定業務従事者健康診断、海外派遣労働者健康診断など健診の種類や年齢により医師の判断で省略が認められている項目があります。
胃造影X線検査(胃バリウム)もしくは、胃内視鏡検査(胃カメラ)で胃内部の病変を探す検診です。胃がん検診の各検査の詳しい説明はこちら
腹部に超音波を発信し、その反射波(エコー)を利用して画像化・解析する検査です。ゼリー剤を塗った腹部にプローブ(探触子)をあて、その様子をモニターで確認します。主に肝臓、胆のう、すい臓、ひ臓、腎臓などの臓器に異常がないかをみます。子宮、卵巣、膀胱、前立腺を観察することも可能です。

腹部CTの画像。「→」部分に異常が認められる(画像提供:八王子クリニック)
腹部にX線をあてて撮影した画像を処理して、腹腔内臓器の詳細な検査を行います。検査時間は10分程度で、体へのダメージも少なく、肝臓、腎臓、すい臓、胆のうなどのほか子宮、卵巣、膀胱、前立腺の臓器を検査しますが、腸の内部を調べることには向いていません。またX線照射を行うので、被ばくがあります。

すい臓がんが認められる腹部MRI画像(画像提供:メディカルスキャニング)
MRIは、電磁波に共鳴しやすい水素の性質を利用した検査です。体内の水素の原子核に電磁波を送って磁気共鳴させ、画像化します。臓器の断面画像が得られ、腫瘍、結石のほかに動脈瘤などの血液の流れを診断するのに役立ちます。MRI検査は、体の縦横あらゆる方向・角度からの臓器の断面画像が得られる点で、CT検査よりも優れています。また撮影の際、肝臓、すい臓、ひ臓といった腹部臓器を詳しくみることができます。造影剤を使うと、腫瘍や結石などをより鮮明に映し出されます。検査時間が30分程度と多少長くかかるうえに、工事音のような騒音がうるさくて気分が落ち着かず、気持ち悪くなることがあります。X線を用いないので被ばくの心配はありません。ただし、磁気を用いるため、ペースメーカーを装着している人や、アクセサリーなどの金属を体につけたままでは検査できません。
日本の肝臓がんの90%以上はB型もしくはC型肝炎ウイルスに感染し、慢性のウイルス性肝炎になってから起こってきます。B型肝炎ウイルスは、出生時の母親からの感染、注射針の共用、輸血、C型肝炎ウイルスは輸血や注射針の共用など、血液から感染します。またどちらも性病として感染することもあります。
40歳以上の人は、一生に一度でいいので、慢性ウイルス性肝炎に感染しているかどうかを検査することが重要です。
HBs抗原はB型肝炎を引き起こすウイルスです。それに対し、HBs抗原に反応して免疫作用をもつ物質がHBs抗体です。血液からこれらの物質を抽出し、肝炎ウイルスによる感染症の有無や肝硬変、肝臓がんなどの肝臓障害のリスクを調べます。 HBs抗原が陽性を示し、HBs抗体が陰性で体内に存在しなければB型肝炎に感染している状態です。また、HBs抗体が陽性であれば過去に感染歴があり、かつ体内に免疫作用を備えていることになります。
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染すると、体内に抗体が産生されます。その抗体物質をHCV抗体といい、血液からこれらの物質を抽出し、肝炎ウイルスによる感染症の有無や肝硬変、肝臓がんなどの肝臓障害のリスクを調べます。
HCV抗体は、C型肝炎ウイルスに感染したときに体内でつくられます。したがってウイルスに感染していなければ、HCV抗体はつくられる必要がないため陰性となり正常と診断されます。
東京地下鉄株式会社健康支援センター 所長 鷲崎 誠(わしざき・まこと)
2009/10/30 更新
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