
人間ドックのここカラダ > PET検査を予約する
|
|||
■がんと生活習慣は密接な関係にある。
がんの予防はある程度可能です。一番は煙草。今話題の食道がんに多いのは、強いお酒を飲みながら煙草を吸う人です。強いアルコールで食道の防御膜が溶けてしまいます。そのあとで煙草を吸うと、防御膜をなくし、発がん物質を塗りこむわけですから、まるで発がん実験のようになってしまいます。肺がんはもちろん、ほかのがんにも喫煙者はとても多いです。それから脂質の摂り過ぎは大腸がんや乳がんに大きく影響します。胃がんはピロリ菌と塩分の取り過ぎが大きな原因。そう考えると、生活習慣を変えることでがんを防ぐことは十分可能です。ただ、どこに発がん物質があるかわかりませんから、がん死を防ぐにはやはり検診が重要です。がんは火事に似ていて、フライパンの上で燃えているほうが、二階まで燃えているより消しやすいでしょう。ところが、がんという病気はたくさんありますから、それだけ検診もたくさん受けなくてはいけません。時間も費用もかかります。PET検査とはそれを一回でやってしまおうという検査です。ここまでは、独立行政法人国立がん研究センター・がん予防・検診研究センターセンター長の森山紀之さんのお話しです。
PET検査とは?
■がん細胞の性質を利用する。
がん細胞は正常細胞の3〜8倍ものブドウ糖を摂取する性質があります。その性質を利用するのがPETによるがん検診です。
放射性物質を組み込んだブドウ糖(FDG)を体内に注射し、体外からその放射線が多く集まる部分を画像化することでがん細胞の位置を特定します。PET検査は、痛みや苦痛もほとんどなく全身を一度に調べることができますが、もともとブドウ糖の消費が多い臓器(脳、心臓、腎臓など)には不向きとされています。PET、CT検査併用の場合、特に毎年の受診には被ばく量への注意が必要です。
※ワンポイント
PETとは、positron emission tomography(ポジトロン断層法/ポジトロンだんそうほう)の略です。
■PET検査の流れ
・受診6時間前
血糖値が高いと画質に影響することがあります。PET検査を受ける際は血糖値の影響を避けるため、受付時間の5〜6時間前から食事を控えます。ただし、糖分を含まない水分はたくさん摂っておきます。
≪ステップ1≫:受付/着替え/問診
来院して受付を終了した後、検査着に着替えます。金属製品を身につけていると画像に影響が出るため金属類はすべて外します。既往症、当日の体調について問診を受け、検査の流れなどの説明を受けます。
≪ステップ2≫:採血/薬剤投与
PET検査を受ける直前に、血液を採取し血糖値を測定します。安静時の血糖値が200mg/dlを超えると画質に影響するため、撮影時間を延長したり、場合によっては検査を中止することがあります。続いて、検査薬「FDG」を静脈内投与します。
※ワンポイント
PETの検査薬「FDG」は、保存できないため、検査の都度作られています。検査日の変更希望などがある場合は、早めに医療機関に連絡しましょう。
≪ステップ3≫:安静
検査薬「FDG」を全身にくまなく行き渡らせるため、1時間ほど楽な姿勢で安静にします。この際、おしゃべりをしたり歩き回ったりすると、動かした筋肉に検査薬「FDG」が取り込まれて正しい診断の妨げになるため、できるだけ静かに休息しましょう。
≪ステップ4≫:撮影
画像診断の直前にトイレに行き、膀胱を空っぽにしておきます。PET装置の検査台に横たわり、撮影を行います。撮影時間は全身(眉の下から足の付け根まで)のスキャンで15〜30分ほどです。撮影が終了したら、体内に残った検査薬「FDG」が減衰するまで、30分ほど休息します。
≪ステップ5≫:画像説明
診察室に入り、PET画像を見ながら、説明を受けます。PET画像に検査薬「FDG」の異常な集積などが認められた場合は、精密検査を受診しましょう。
※ワンポイント
PET検査は、欧米では悪性腫瘍の検査として日常的に利用されています。がん専門医がPET検査の結果次第で、治療方針を変えることも珍しくありません。腫瘍の状態・範囲によって手術なのか、化学療法なのかと治療方法が変わるからです。日本でもPETは検診だけではなく、臨床に広く用いられつつあります。

人間ドックのここカラダ > PET検査を予約する