小山和作さんからの人間ドック・検診に関するあなたへのメッセージ。人間ドックや検診で早期発見・早期治療を。

人間ドックのここカラダ > あなたへのメッセージ > 小山和作さん

あなたへのメッセージ|予防医学の主導者は受診者自身医師は情熱と理念で支えるのが仕事です

写真

今回お話を伺ったのは|小山 和作(こやま わさく)さん

日本赤十字社熊本健康管理センター 名誉所長

1960年熊本大学医学部卒業。65年同大学大学院医学研究科卒、同大学第二内科講師を経て73年財団法人熊本県健康管理協会専務理事に就任。78年日本赤十字社熊本健康管理センターを創設、所長として25年間務める。2003年同職を退職して、同名誉所長に就任。現在に至る。トータル・ヘルス・ケア・コム理事長、日本人間ドック学会理事、熊本市役所健康管理専門医。

自ら立ち上げた、日本赤十字社熊本健康管理センターの名誉所長であり、日本人間ドック学会理事を務める小山和作先生。「一日でも早く、一人でも多く、病気を治して健康にしたい」という思いから健診を始め、これまで350万人の健診と1000回を超える講演を手がけてこられました。今では健康意識の高い都道府県として知られる熊本県の“健康の父”ともいえる小山先生に、予防医学について伺いました。

早く病気を治したい。みなさんが病院に来ないなら、私が出て行こう、と。

写真

私が予防医学を志したのは35年前です。もともとは内科医として熊本大学医学部附属病院に13年間勤務していました。大学病院というのは重症患者が集まってきますから、毎日誰かが亡くなっていきます。病棟主任になると、病棟に行って「ただいまご臨終です」と言うのが私の仕事のようになってしまった。毎日です。私は病気を治すために医者になったのに、次第に、「結局、医者というのは病気を治しきらんのだ」という無力感でいっぱいになっていきました。その無力感をどうしたらいいのかと考えたときに、「重症者の方たちも一年前は元気だったんだよね。半年前でも手当ての方法があったはずだ。じゃあもっと早く病院に来てくれたら助かるはずだ」と思ったのです。そこで、大学病院を辞めて健診を始めたのです。とにかく早く見つけたい、みなさんが病院に来ないなら、私が出て行こう、と。当時お世話になった教授からは「人間は痛い、苦しいから医者に診せるんだよ。なんともないのに医者に診せる人なんていないよ」と言われました(笑)。そのくらい、周囲の予防医学への関心は薄いものでした。

より多くの命を助けたくて開始した人間ドック

写真
予防医学に情熱を注ぎ、日赤熊本健康管理センターを設立したのは1978年だった。

それから5年間、ひたすら県下を健診車で回りました。胃がんを例に挙げると、自覚症状があって病院で外来発見をした時点での生存率は34〜35%です。それが、健診によって約70%に伸びました。それだけ、早期発見はいいということ。さらに人間ドックを行おうと思ったのは、残りの3割を助けたかったからです。今、(日赤熊本健康管理センターの)人間ドックで9割近くの胃がんを早期発見し、治癒できるようになりました。3割そこそこと9割じゃ3倍の違いでしょう? やっぱり人間ドックが必要だと思いました。

必要なのは健康のためのアドバイス。検査だけでは予防医学とはいえない

写真

私は、予防医学というのは、医学である限りは診断もあれば、治療もなきゃいかんと思っています。その治療というのが、まさに健康づくり。セルフケアの支援です。支援せず健診だけで終わってしまっては、健康になりっこないじゃないですか。 人間ドックの受診者の方は「何もなかったから安心だ」と言います。しかしよく聞いてみると本当はこまごまと改善すべき点があるのに、とにかく、がんがなければいいんだ、と思っている人が多いのです。本来、その人がこれから健康でいるためにはどうすればいいか、誤った生活習慣があればそれを正すアドバイスが必要です。予防医学といいながら、多くの健診施設ではそういう健診結果をもとにしたセルフケアや悪化させないためのアドバイスをこれまであまり行わず、健診しかしていない。医療機関も受診者も「予防医学=健診」だと思ってしまっているのでしょう。私は人間ドック学会でドック施設の認定審査をしていますが、アフターフォローが十分に行われていない施設が多い。それが一番残念なのです。

人間ドック施設は健診を行う場所ではなく、情熱と理念で健康を支える場所

写真
センター内のトレーニングルーム。受診者全員の手に予防医学の主導権が握られている。

医療機関側が予防医学に本当の情熱を持っていなければいけない。予防医学に対するちゃんとした理念を持っていなければいけない。情熱と理念を持って予防医学に取り組めば、医療費を下げることもできます。熊本県では実際に医療費が下がった町や村があるのです。予防医学とはそういうことです。みなさんの健康意識が高まることで、早い時期に病院にかかろうと思う。健診を行うことで医療費が下がり、病人も減る。それを目指さんといかんのです。さらに、単純に個人の健診結果を見るのではなく、地域や集団の傾向から背景を探る疫学調査をしながら、「この町では食塩を減らす運動をしましょう。喫煙を減らす運動をしましょう」という方向にもっていく。そういうことが予防医学に携わる者の仕事ではないでしょうか。 そして、我々も一生懸命やらなきゃいかんが、受診者も一生懸命やらなきゃいかんのですよ。たとえば「要再検・要精検」と言われたら、がんを疑うくらいの気持ちで、きっちり検査を受けてください。自分の健康は自分で守るんだ、という意識を持ってください。多くの臨床医学の場合、治療のイニシアチブ(主導権)は、医師や医療機関にありますが、予防医学のイニシアチブは受診者にあるのですから。

取材・文/金子美和
2009/01/15 更新

人間ドックを探す

受けたい検査をチェック!

  •  法定健診
  •  特定健康診査
  •  胃内視鏡
  •  経鼻胃内視鏡
  •  腹部エコー(超音波)
チェックした検査が含まれるコースを探す

※予約の際は、ご希望の検査が含まれているか必ずご確認ください。

「あなたへのメッセージ」TOPページへ

人間ドックのここカラダ > あなたへのメッセージ > 小山和作さん