水野正憲さんからの人間ドック・検診に関するあなたへのメッセージ。人間ドックや検診で早期発見・早期治療を。

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あなたへのメッセージ|自分は「肝がんのハイリスク群」?それは肝炎ウイルスのキャリア検査でわかります

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今回お話を伺ったのは|水野 正憲(みずの・まさのり)さん

全国肝臓病患者連合会(全肝連)・東京肝炎の会 会長

まだ20代だった1977年、学生時代に1カ月の入院治療を受けた急性肝炎が慢性化して、4カ月の入院を余儀なくされる。その翌年に「肝炎の会」(当時)に入会。以来30年間にわたり会の活動を支え、1989年に会長に就任。公務員として、公立病院の業務に長年従事してきた経歴をもつ。

創立されてから37年(2008年11月現在)の長い歴史をもつ全国肝臓病患者連合会(全肝連)。肝臓病患者への障害者手帳の交付を悲願とし、粘り強い提言活動を続けている全肝連の会長・水野さんに、会設立の経緯や活動、ご自身の体験を通して検診の重要性などについてお話を伺いました。

自分自身が肝臓病患者だったドクターらにより創立

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特別編集の記念誌(左)、歴史ある会報「肝炎の友」(中央)、講演会録(右)

全国肝臓病患者連合会(以下、全肝連)は、ご自身が肝臓病患者として苦しまれていた東京都大田区山王の中島病院院長・故中島弘道さんらドクターを中心に5名で創立されました。1971年のことでした。当時はまだ肝臓病といえば「お酒による自業自得」と思われがちで、多くの人が苦しみ、また長期療養を必要とする病気でありながら社会保障と予防・治療法が確立されていないという厳しい現実がありました。そこで患者間の励ましと社会への啓発を目的に設立されたのが「肝炎の会」(当時)だったのです。 肝炎や肝臓がんのほとんどは肝炎ウイルスの感染によるものです。しかも、感染の原因は輸血や非衛生な注射など不注意な医療行為によってもたらされたもので、これらの病気で苦しむ方の多くは、いわば、「自分の責任の及ばない」感染によって苦しみを受けてきたのです。
しかも、これらには長く有効な治療法がありませんでした。ようやく最近になって、インターフェロンとリバビリンの併用による抗ウイルス治療が登場し、C型肝炎についてはかなりの治療効果を期待できるようになりましたが、まだ完璧ではありません。また医療費助成のありかたなど課題は山積したままです。だからこそ私たちは、これからもあきらめることのない粘り強い啓発・提言活動を行っていきたいと思っています。

肝炎ウイルスのキャリアかどうかは1回の検査でわかります

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講演会の参加者に、インターフェロンの医療費助成制度について説明する水野さん

私自身のお話をさせていただくと、学生時代に完治したと思っていたB型肝炎が慢性化したのは1977年のこと。結婚した翌年でした。当時勤めていた病院の敷地にテニスコートがあり、同僚と昼休みにはテニスを毎日楽しんで汗を流していましたが、ある日、「なんだか疲れるな」と感じ、そのまま勤務先の病院の内科を受診しました。そうしたらなんともう「黄疸」が出ているというんですよ。でも結構元気だったんですよね。そして数日後に肝臓の専門医を受診したら、即日入院ということになってしまって。そのころには食事も摂れないくらいになっていました。本当に肝臓というのは、ギリギリまで驚くほど自覚症状がないんです。
現在、全国に肝炎ウイルスのキャリアの方は350万人いるといわれています。そして肝がんになられる方の9割は、B型もしくはC型ウイルスに感染しているといわれています。実は、肝炎ウイルスのキャリアかどうかは1回検査を受ければわかるんですよ。 そして、検診を受け「自分が肝がんのハイリスク群」であると認識できたら、定期的にしっかりとした検査を受け、生活に留意していくことが大切だと思います。もし、感染している場合、治療もせず、普通にお酒やたばこもやっていると3、4倍のスピードで病気が進行してしまいますから…。

おしゃれな、ピアスやタトゥー。しかし衛生には注意が必要です

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慢性肝炎・肝硬変の漢方治療についても講演会を実施。写真は講師に招いた山内浩先生

これまでは、当時の国の無知によって、多くの人が知らぬ間に肝炎ウイルスに感染するという悲劇を生んできました。現在、医療従事者による注射などは、もちろん厳重に管理されていますが、気になるのは若い人がよくしているピアス、タトゥーなどです。衛生管理上、肝炎ウイルスに感染するリスクが高いですし、「実は危ない」という認識をもってほしいですね。ピアス、タトゥーというのは自分の体に針を刺すことになるわけです。その際「ほかの人にも使い回された針を使用していないか」を確認した方がいいと思います。それに、アルコールで消毒したくらいでは血液は完全にとれないんですよ。もし思い当たる方がいらしたら、肝炎ウイルスの検査を受けることをおすすめします。
ここのところ「自己責任」という言葉がいろいろな場面で使われるようになりました。「知らない」ことで新たな悲劇を生むことのないよう、私たち全肝連では、これからも会報の発行や、定期的な勉強会・交流会を実施するなど啓発のための取り組みを行っていきたいと思います。

全国肝臓病患者連合会(全肝連)

中島弘道医師(故人)を含め5名によって1971年「肝炎の会」を発足。1981年に全国肝臓病患者連合会(全肝連)に名称を変更。会員数は全国で約2000人(2008年11月現在)。ウイルス性肝炎を中心とするあらゆる肝臓病の予防・治療に関する正しい知識の普及、啓発、行政への粘り強い提言活動などを行い、2008年には東京都の「障害者雇用促進ハンドブック」に、難病として肝炎などの慢性疾患への配慮に関する記載をするに至った。
全国肝臓病患者連合会

構成・文/山賀美幸
2009/01/15 更新

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