増田美加さんからの人間ドック・検診に関するあなたへのメッセージ。人間ドックや検診で早期発見・早期治療を。

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あなたへのメッセージ|早期だったので、手術も簡単、傷跡もキレイ。年に一度の検診で胸も命も守れます

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今回お話を伺ったのは|増田美加(ますだ・みか)さん

1987年大学院卒業後、出版社に勤務。1993年退社後、同年独立。おもに健康、医療、美容に関する記事を中心に女性誌、単行本、ムックなどで執筆、編集を行う。テレビ、講演などでも健康、医療情報を発信。2008年11月、有志とともに乳がん予防を目的とするオッサンデファム日本支部〜女性の乳房と健康を守る会」(本部フランス)を設立。同会代表を務める。2008年、認定乳がん体験者コーディネーター資格取得

2008年の11月、女性の乳房と健康を守る会「オッサンデファム日本支部」(本部フランス)が活動を開始しました。会の代表を務める女性医療ジャーナリストの増田美加さんは乳がん体験者でもあります。「手術も簡単だったし、傷跡もないの。でも、それは早期発見だったから」という増田さんにお話をうかがいました。

“医療ジャーナリスト、乳がんになる!

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職業柄、年に1回はマンモグラフィ(乳房X線撮影)による乳がん検診を受けていました。医療ジャーナリストとしてメッセージを伝える以上は、自分から実践しないとダメでしょう? 毎年、別の施設で検診を受けて「ここの技師さんは丁寧」「ここは説明がきちんとしている」なんて比較をしながら、頭の片隅で何の根拠もなく「自分は乳がんにはならない」と思っていたのです。子宮関係の病気をしたので、むしろ乳がんよりは子宮がんを警戒していましたね。ところが2006年3月、左胸に微細な石灰化が発見されました。石灰化というのは壊死(えし)したがん細胞にカルシウムが沈着して生じるもので(石灰化には悪性だけでなく良性のものもある)、乳がんのサインです。通常の検診施設の場合は“二次検診(精密検査)を受けてください”という指示があるだけで、せっかく早期に発見しても次のステップまでに時間がかかることがよくありますね。私が検診を受けたのは日本でも数少ない乳腺専門のクリニックだったので、すぐに「マンモトーム生検」(※)を受けることができました。
生検を受けてから、結果が出るまでの数週間はとてもつらい時間でした。この時点では良性か悪性かはわかりませんでしたので。万が一悪性であっても早期であることはわかっていたし、乳がんに対する知識もあり、対処方法も理解しているはずなのに、「何で…? どうして?」とかなり動揺しました。約束の日にちを間違えたり、鍵を掛け忘れたりと普段からは考えられないミスの連続! 気もそぞろになっていたのだと思います。

※:マンモグラフィで石灰化病変を確認しながら、組織を採取して鑑別診断を行う検査(組織診)

早期発見だから、病院を選ぶ時間もありました

正式に「早期がん」の告知を受けたのは06年の5月1日です。石灰化は乳がんのステージでいえば0期の「非浸潤がん」。ごく早期で「浸潤がん」に進行するまでにはまだまだ時間的な余裕があります。告知のショックから気持ちを切り替えたあとは、じっくり腰を据えて病院選びを始めました。手術件数や評判などを手がかりに2カ所までしぼり込んだものの、最終的に「私の」乳がんをどう治療するのか確認しなければ選択できないと思いました。考えた末に、両方の病院を受診したのです。
まずA病院でマンモグラフィを受け石灰化病変の位置を確認。ドクターからは手術を含めた治療計画を提示していただきました。ところがB病院では石灰化病変すら見つけることができなかったのです。しかもドクターの口からでたのは「がんがどこにあるかわからないから、もう少し大きくなるまで待ちましょう」という耳を疑う言葉。早期発見の意味がないですよね。この時点でB病院は選択肢から消えました。

手術の翌々日に退院、2日後にはランニングを再開

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09年2月に開催された第1回公開セミナーの模様。テーマは「肌から体の内側の健康を見極める 不調解消"スキンケア&美容術"」

病院と治療方針を決めたあとは手術を受けるだけ。6月中に手術することも可能だったのですが仕事をすっきり片付けて治療に専念したかったので、結局、7月まで延期することにしました。念のためドクターに確認をしたところ「石灰化病変がしこりまでに進行するには数年かかりますから数カ月くらい大丈夫です」といわれました。早期だからこそ余裕をもって治療スケジュールを組み、仕事や生活への影響を最小限に抑えられたわけです。これも早期発見のメリットですよね。
治療は「非浸潤がん」でリンパ節転移の可能性がないので良性のしこりを切る場合と同じ感覚です。もちろん、抗がん剤もホルモン療法も必要ありません。私の場合は乳輪に沿って3〜4cm切開し、石灰化の周辺組織を3cmほど切り取るだけでした。手術時間は麻酔が覚めるまで2時間くらいだったでしょうか。手術当日の夜にはもう自分でトイレに行き、翌日の朝はおかゆを食べて昼から普通食です。入院4日目の午前中に「はい、ベッドを空けて〜」という感じで退院しました。帰宅して当日〜翌日こそ家でおとなしくしていましたが、その次の日はランニングしたりして(笑)。鎮痛剤も必要ありませんでした。さらにさらに、治療費も進行がんとは比べものにならないほど安価で済んだのです。

早期乳がんと進行乳がんはぜんぜん違う病気

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マンモグラフィ検診での乳がん発見から丸3年が過ぎました。今は半年に1回の検診を受けているだけです。再発の可能性は99%ありません。手術跡もいまではすっかりキレイになり、見た目は手術以前とまったく変わりません。私の胸を見ても、乳がんの手術経験があるとは誰も思わないでしょうね。
手術の直前はストレスで胃潰瘍にもなりましたが、今は良い経験をさせてもらったと思っています。でもこれもごく早期に発見できたからいえることですよね。もし検診を受けていなかったら? 進行がんの状態で発見されていたとしたら? 早期の乳がんと進行乳がんは、治療法もそれに伴う困難や苦痛もまったく異なります。早期乳がんと進行した乳がんはぜんぜん違う病気です。早期に発見、治療ができれば、私が体験したように胸も失わず、外見も損なわれず、人生の軌道修正を迫られることがありません。何より命を守れます。日本では30代後半〜50代女性の乳がんが増加しています。社会や家族からもっとも必要とされている年齢です。そんな大事な時期だからこそ「乳がんの早期発見」という言葉を忘れないでほしいと思います。

『乳がんの早期発見と治療 これで安心』

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編著/NPO法人乳房健康研究会・著/霞 富士雄、福田 護、野末悦子、島田菜穂子、増田美加
検診、早期発見から診断、治療まで、専門医によるていねいな解説と、早期乳がんを克服した増田美加さんの体験談で構成。わかりやすい内容が嬉しい一冊です。

『乳がんの早期発見と治療 これで安心』を購入する
(小学館/2007年09月)

取材・文/井手ゆきえ
2009/06/18 更新

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